当院は山形県から「診療・検査医療機関」の指定を受け、11月から新型コロナウィルスの検査を公費で行うことが可能となりました。新型コロナの診療を行うにあたって、事前にプレハブ部屋や冷蔵庫などを購入し、受付とTV電話でつなぎ、また楽天ペイなどのキャッシュレス決済も導入し、検査のシミュレーションを行って、準備を進めてきました。何よりも新型コロナウィルスを院内に持ち込まないことを最優先とするため、診察・検査は基本的に18時以後に行い、場所は駐車場の車の中やプレハブの中とし、発熱患者さんはクリニックの建物の中に入れない、また職員も私以外は外に出ないというスタイルにしました。来院前にスマホかFAXから症状や保険証の情報を送ってもらい、会計は楽天ペイ(1月以後はPayPayも可能)か後日の銀行振込とし、領収書と薬剤はTV電話で指示して窓から外に出してもらい、私が受け取ることにしています。このようなスタイルでの診療ですので、時間的・空間的に完全に分離された状態での発熱患者さんの診療となり、一般の患者さんの感染のリスクは非常に低く抑えることができます。
検査内容は、新型コロナウィルスについては、唾液を容器に出してもらって、それを検査センターに依頼する唾液PCR検査を使用しています。夜間の検査になりますので、翌日に検査会社に依頼して、結果が出るのは翌々日の午後になります。15分ほどで結果が出る抗原検査も認められていますが、感度が低く、また疑陽性が出ることがあるため、今のところ推奨されていません。しかし、患者数が増えてきた際や、週末や年末年始などには使用するメリットがあるかと思いますので、今後検討したいと思います。
インフルエンザについては、従来どおり綿棒を鼻の奥に突っ込んで鼻咽頭ぬぐい液を採取し、迅速検査にて判定します。今年は鼻かみ液や鼻腔ぬぐい液などの検体も使用可能となっていますが、精度的には鼻咽頭ぬぐい液が一番ですので、防護ガウンにフェイスシールド姿で綿棒を突っ込ませていただきます。
酒田地区には約20件の「診療・検査医療機関」がありますが、一般住民への公表はされていません。公表すると、その医療機関に発熱患者さんが殺到してしまい、感染を拡大させてしまう可能性があるためです。そのため、熱などの症状があれば、まず「かかりつけ医」に電話で相談するという流れになっています。そこが「診療・検査医療機関」であれば指定された時刻に受診することになり、そうでなければ近くの、あるいは受診したことのある「診療・検査医療機関」を紹介してもらい、やはり指定された時刻に受診するということになります。
当院では、既に何名か新型コロナの検査を行いました。今のところは全部陰性ですが、今後陽性が出てくる可能性は十分にあると思います。風評被害などを恐れて公表しない医療機関が多いと思いますが、当院は隠したりせず、堂々と新型コロナの診療・検査を行います。そのかわり、時間的・空間的に完全に分離して診療を行いますので、夜間に車やプレハブでの診察・検査となりますが、ご理解とご協力をお願いします。(やってる方も、かなり体力的、精神的に大変なのです・・・)
写真は新型コロナ用に設置したプレハブ部屋です。検体の処置や検査をこの中で行います。検体の採取は原則として車の中で行いますが、天候によってはこの中で行います。
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