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5月8日から、新型コロナ感染症は5類感染症に変更になり、インフルエンザと同じ扱いになります。これにともなって、コロナ関連の検査や診療については公費負担がなくなり、通常の保険診療となります。初診でコロナとインフルエンザの検査を行った場合、3割負担の方では今まで2100円程度の自己負担でしたが、これからは約4000円の自己負担となります。薬剤費も無料でなくなり、やはり自己負担が発生します。

 コロナに罹患した場合、今までは7日間の自宅療養が必要でしたが、これも撤廃されます。つまり、法律上はコロナにかかっても通常通りの生活をして、仕事も行っていいという事になります。ただ、コロナウイルスが何か変わった訳ではなく、感染力は強いままですので、インフルエンザと同じように、5日間の自宅療養が望ましいとされています。発症日を0日として、翌日から5日間自宅療養し、そして症状がほぼなくなってから1日を経過したら通常の生活に戻る、というスケジュールが推奨されています。学校ではこれがしっかりとしたルールになると思います。社会人ではこのルールに法的拘束力はありませんので、あくまで個人と会社の判断になりますが、このスケジュールに従ってもらえば、感染拡大を防止する事がかなりできるので、なるべくこれを遵守してもらいたいと思います。また、濃厚接触者の特定や自宅待機もなくなります。

 コロナ陽性者の発生届も必要がなくなりますので、今まで検査陽性の方に渡していた登録用紙もなくなります。医療機関や保健所からの、病状問い合わせの電話やメールも行きません。陽性者の集計・発表もなくなり、1週間毎の定点測定に切り替わります。という訳で、ほぼインフルエンザ診療と同じ流れになります。

 陽性者が自宅療養をする義務がなくなり、仕事や社会生活を普通に行う方が出てくると思われますので、一時的に感染者数は増えると思います。以前のように爆発的な波が来るとは思いませんが、ある程度の増加はあるでしょう。そして、それに比例して高齢者の死亡者も増えると推測されます。でも、もうこれはやむを得ない事なのでしょう。インフルエンザが大流行しても、高齢者の死亡はかなり増えます(超過死亡といいます)。これと同じように、コロナである程度の高齢者が亡くなるのは仕方がない事だと、割り切って考えるしかないのだと思います。諸外国ではこのような考えが当然として受け止められており、そうやって日本よりも速くコロナを克服してきたのです。アメリカのコロナによる死亡者は110万人、致死率は1%なのに対して、日本では死亡者7万人、致死率はわずか0.2%です。そういう意味では日本のコロナ対策はかなり成功したと言えるし、医療従事者は良く頑張ったと思います。もちろん、世界一従順な国民性によるところも大きかったと思います。

 コロナ感染症が完全に終息したわけではもちろんありません。ただ、インフルエンザと同様に、通常の感染症として扱う疾患になったという事です。インフルエンザで亡くなる方がいるように、コロナで亡くなる方もいます。転倒して骨折し、寝たきりになって、誤嚥性肺炎で亡くなる高齢者もいれば、コロナで寝たきりになって、食事が取れなくなり亡くなる高齢者もいるのです。人間、いつかは死を迎えます。その原因は様々ですが、他の疾患と同様に、コロナ感染症もその原因の一つにすぎないのです。

(写真は山寺蔵王ウルトラマラソン2023 66Km付近)

 5月末から、新型コロナワクチンの4回目接種が始まりました。といっても、3回目接種から5か月以上経過しないと打てませんので、今のところは医療従事者や施設入所者など、一部の方に限られています。当院では7月1日から一般の方への4回目接種を開始します。3回目の接種は基本的にモデルナのワクチンを使用してきましたが、ファイザー製もかなり酒田市で確保できてきたようなので、7月からはファイザーのワクチンを使用する事にします。なお、ノババックス性のワクチンも使用ができるようになっていますが、現在のところ4回目の接種には使用する事が認められていませんし、酒田市にいつ入ってくるかもわかりません。

 4回目の接種の対象は60歳以上の方と、18-59歳の基礎疾患のある方、重症化リスクの高い方などとなっており、その目的は「重症化を防ぐこと」となっています。「発症を防ぐこと」は目的になっていません。5月の連休明けには多くの若者がコロナに罹患し、かなり大変な状況になりましたが、感染した方の中には結構な割合で3回目の接種を受けた方がおり、3回打っても感染は防ぎきれないのは確かなようです。それでも3回接種した方は圧倒的に軽症が多く、普通のかぜとあまり変わらない病状でした。そういう意味では、「重症化を防ぐ」ために高齢者に接種しておくことは、妥当な選択であり、望ましい事だと思います。

 今回は、60歳以上の方には接種券が酒田市から郵送されますが、59歳以下の方には原則として送られません。基礎疾患があるかどうかは、酒田市では把握できないからです。基礎疾患があり、接種を希望する方は、定期通院の際に予約をしてもらうか、酒田市のコールセンターで個別接種/集団接種の予約をお願いします。この場合にも接種券は郵送はされず、医療機関/集団接種会場に準備してある白紙接種券(氏名や住所、番号などが記載されていないもの)に自分で記入していただき、それを使用して接種を行う事になります。

 接種から時間が経つにつれて、明らかに抗体の量は低下していきます。高齢者の方はもちろんの事、基礎疾患のある若年者の方も、4回目の接種を受けておくことを強くお勧めします。(写真は平田の十二滝です)

 2月1日から3回目のコロナワクチン接種が始まります。接種券も少しずつ届き始めているようです。当院の診察券をお持ちの方は当院受付で、持ってない方は酒田市の予約システムを利用して予約をお願いします。開始当初はファイザーのワクチンを使用しますが、おそらく2月25日頃からモデルナのワクチンに変更となる予定です。これは酒田市の方針によるもので、国から供給される予定のワクチンの、約7割がモデルナになっているためとの事です。このため、集団接種は全てモデルナを使用する事になり、また接種回数の多い医療機関は、2月下旬からモデルナが配送になるとの事です。要望すれば少しファイザーをもらう事も可能なようですが、2種類のワクチンを扱うのは接種ミスなどの危険性が高くなり、また予約などの事務作業も複雑になりますので、当院は切り替わったら全てモデルナを使用する事にします。どうしてもファイザーを打ちたいという方は、自力でファイザーの予約ができる医療機関を探して、ご自分で予約をお願いします。

 実際問題として、モデルナとファイザーのワクチンに、ほとんど差はないと考えられています。有効性はほぼ同等、副反応はモデルナに多いもの、ファイザーに多いものと若干の違いがありますが、ならして考えればほぼ同等だと思います。多くの方は1・2回目はファイザーを接種していると思いますが、3回目にモデルナを接種する(交互接種といいます)事に特に問題はありません。むしろ3回目にモデルナを使用した方が、抗体の上がり方が良いとの報告もあります。

 という訳で、モデルナでもファイザーでも、とにかく接種できるものを早くうつというのが正解です。メーカーにこだわっている場合ではありません。

 また、3月から、5歳から11歳までの小児に対する接種も始まりますが、こちらについてはファイザーのワクチンが使用されることになります。これは、日本では現在、12歳未満に適応のあるワクチンがファイザーのみとなっているためです。これも将来的には変更になる可能性はありますが、今のところモデルナは小児に対する適応追加の申請をしていませんので、当面はファイザーが使用されることになるでしょう。

 5月から半年間にわたって行ってきた新型コロナウイルスワクチンの個別接種が、11月20日で終了しました。合計で5670回の接種を行いました。おそらく酒田市内の医療機関で最多です。接種後に迷走神経反射によって倒れた方が1名、気分不良が2名いましたが、アナフィラキシーの症例はなく、重篤な副反応なく終了する事ができました。

 開始当初は高齢者のみでしたので、受付でのみ予約を行いましたが、予約希望者が殺到し、長蛇の列が何日間かできました。高齢者の予約が一段落してからは、ネット予約を導入しまししが、これもまた色々と大変でした。ほとんどの方はHPや予約システムに記載してあることをきちんと読んで、問題なく予約をとれていましたが、中には操作の仕方がわからずに何個も予約を取る人、スマホを持って受付に聞きに来る人までいました。また、接種間隔を3週間以上空けて必ず2回分予約するようにと、HPにも予約システムにも記載していましたが、2週間後や10日間後に予約を入れる人、2回目の予約を取っていない人、備考欄に日付を入れてそれでOKと思っている人など、様々な予約のトラブルがありました。予約が取れていない事がわかって、当日に受付で文句を言っている人もいましたが、これらのトラブルは、全て予約する側のミスによるものです。

 酒田市の使用している予約システムは2回分の日時が固定されており、また操作がわからなければコールセンターも設置されていますが、当院では2回目の日時も自分で選べるようにし、変更も自由に可能としました。酒田市のようにお金も人員もありませんので、あくまで自己責任で予約を確定してもらうシステムとしたために、ある程度の予約ミスが発生してしまった事は事実です。ただ、9割以上の方は問題なく予約ができており、2回目の日程の変更を適切にされていた方もかなりいたことを見ると、予約のシステム自体はきちんと機能していたと考えています。不適切な予約がされていた場合、見つけた時点で削除していましたが、数が多すぎてすべてをチェックするのは物理的に不可能でした。

 これから3回目の接種が始まります。1・2回目に比べると、接種は1回のみですし、2回目の接種時期もある程度ばらけていますので、今回ほどの混乱はないものと思われますが、やってみないとわかりません。具体的にいつからどのように始まるのか、集団接種はあるのか、使用できるワクチンの種類はどうなるのかなど、現時点では未定です。当院でネット予約システムをまた使用するかどうかも未定ですが、使用することになった場合には、HPや予約システムに記載してある内容をよく読んで、ミスなく予約を行っていただきますようお願いいたします。

 当院を含めて、ほとんどの医療機関では通常の診療の合間を縫ってワクチン接種を行っており、ワクチン業務に多大な時間や予算をかけられる訳ではありません。どうかこの点を理解していただき、円滑なワクチン接種の進行にご協力をよろしくお願いします。

 HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンは、以前は「子宮頸がんワクチン」と呼ばれていましたが、子宮頸がんだけでなく、尖圭コンジローマなどの疾患も予防することが明らかになり、現在はHPVワクチンと呼ばれています。2013年から定期接種化され、現在も小学校6年生から高校1年性までの女子が無料で接種することができます。ただ、接種後に多様な症状が出た症例が続いたため、積極的な接種の勧奨が現在も中止されています。しかし、最近の研究では、このワクチン接種と多様な症状には因果関係がない事が証明されてきており、諸外国では普通に接種されています。

 子宮頸がんは日本で年間1万人が罹患し、約2800人が命を落としています。特に、20台から40台の若い女性に多く、「マザーキラー」と呼ばれています。HPVワクチンを接種することにより、子宮頸がんの罹患を約90%減少させることができると考えられており、積極的な接種の再開が望まれています。私は、自分の二人の娘を含めて約50名の方に接種しましたが、特に具合の悪くなった方はいませんでした。

 小学校6年生から高校1年生の女子の方は、このHPVワクチン接種を無料で受けることができます。中学1年と高校1年の方には、春頃に酒田市から案内が届いていると思います。接種は3回受ける必要があり、2回目は初回接種の2か月後、3回目は初回接種の6か月後と決まっています。高校1年生の場合には、接種スケジュールの関係上、9月末までに第1回接種を行わないと3回の接種が完了できません。ですので、希望される方は早めに御連絡下さい。きちんと説明をして、納得していただける場合には接種いたします。なお、現在接種進行中の新型コロナワクチンとは、2週間以上の間隔を空けることが必要です。

 現在、厚生労働省に対して、積極的な接種の勧奨を再開するよう要望が出されていますが、実現には至っていません。どうも現在の田村厚生労働大臣は、りワクチン全般に対してあまり積極的ではないようです。(田村大臣は、2013年に積極的接種の勧奨を中止した際の担当大臣でもあります)安全性、有効性に関するエビデンスは既に十分に確立されています。WHOは積極的接種勧奨を再開しない日本の姿勢を、名指しで批判しています。いつになるかわからない積極的接種勧奨の再開をいたずらに待つ事なく、HPVワクチンを早期に接種することを、強くお勧めします。(イラストは「みんパピ! みんなで知ろうHPV」のサイト用に、漫画「コウノドリ」作者の鈴ノ木ユウ氏が寄せた応援イラストです。)

 順調にワクチン接種が進行していましたが、ご存じのとおり日本全国でワクチン不足となってきて、酒田市も当然その例外ではなく、7月初旬に新規予約を制限するように要請がありました。これに従って、7月初旬から新規のワクチン予約を一時中止しています。まだ接種の終わっていない高齢者や、60歳以上の基礎疾患のある方については、新規の予約を受けてよいという事ですが、当院ではほとんどの高齢者に接種が完了しており、該当者はほぼいなくなっています。ワクチンは全く入ってこない訳ではもちろんなく、これまでに予約された方や、優先接種対象の介護施設従事者、教員などに対する接種は順調に行っています。ただ、今後もしばらくワクチンの供給は少な目で経過すると思われ、誰でも予約できるような状況にいつなるかは、現時点ではわかりません。酒田市の集団接種も8月中にかなりの回数を予定していましたが、結局ワクチン不足で大幅に縮小となりました。9月にも予定されていますが、接種人数をかなり減らして対応する事になりそうです。

 連日全国で感染者数が最多を更新する状況で、少しでも早くワクチンをうちたい気持ちはよくわかりますが、物がない事にはうちようがありません。8月下旬くらいには酒田市からある程度の見通しが示されるかと思いますので、予約再開にOKが出たら、当院でも一般の予約を再開したいと思います。引き続きマスク、手洗い、密を避けるなどの感染対策をしっかり行い、状況が改善するのをお待ちください。(写真は、ある高齢者施設でのおやつです)

 5月15日から酒田市の集団接種が始まり、5月17日から当院でも個別接種を開始しました。当初は入ってくるワクチンが少なく、人数は限られましたが、6月に入ってワクチンも潤沢に供給されるようになり、今週は外来168名、施設・在宅18名に接種を行いました。現在まで3週間で389名の方に接種を行いましたが、体調不良者は出ていません。来週以後はさらに数が増えて、ピークの週は300名くらいの方に接種を予定しています。接種券や予診票を忘れた方が数名程度、ドタキャンが1名ありましたが、急遽代わりの方に連絡して来てもらい、廃棄したワクチンは全くありません。

 当院にかかりつけの患者さんの予約はほぼ終了したと思われますので、当院に受診歴のない方(かかりつけ以外の方)の予約受付を開始しました。ただしWEB予約のみとさせていただきますので、トップページのリンクから予約をお願いします。かなり簡単に予約はできます。まだ7月分はかなり空きがありますので、かかりつけ医のいない方、総合病院以外に受診がなく接種できない方など、ぜひご利用ください。

 集団接種も土日に検診センターと市役所の2か所で、順調に進行しています。私も3回ほど担当しましたが、大きなトラブルはなくスムーズにできています。体調不良者もほとんど出ていません。

 7月には64歳以下の方にも接種券が発送される予定です。また、8月以後は集団接種の会場が平田農村環境改善センターに変更になる予定です。こちらの方が広く、また10月末まで貸切で常設の接種会場として利用が可能で、水木の午後にも接種が行われる予定です。さらに学校の教職員の接種も優先的に行われるかもしれません。職場単位での接種も検討されてきています。ありとあらゆる方策でワクチン接種を加速させようという政府の考えによるものですが、方向性としては間違っていないと思います。

 私は明日も朝から市役所で集団接種の担当です。そして来週もまた個別接種をクリニックで淡々と進めていきます。ワクチン接種が進めば、「以前の日常」に少しずつ近づいていけるはずです。皆さん、慌てず焦らず、でもしっかりとワクチン接種を受けましょう。(写真は1バイアルから作成した6人分のワクチンです)


 医療従事者への接種が始まった新型コロナウイルスのワクチンですが、高齢者への接種スケジュールが具体的に決まってきました。4月1日の酒田市広報に記載されていますが、接種券の発送が4/23頃から開始となり、集団接種開始は5/15で、検診センターと市役所で毎週土・日曜日に行われます。集団接種の予約開始は5/1で、専用のコールセンターで受け付けます。当院などの医療機関で行う個別接種は5/17に開始予定で、これについての情報は5月1日の広報に掲載となる予定です。個別接種の予約は各医療機関で行う事になっており、日程は未定ですが、連休明けからの予約開始となると思います。なお、電話による予約は受け付けませんので、接種券を持って受付に来ていただき、直接予約をするという方式になります。

4/23頃 接種券の発送

5/1   集団接種の予約開始(専用コールセンターへ)

5/6頃? 個別接種の予約開始(電話予約は不可、接種券を持って受付へ)

5/15   集団接種開始(毎週土・日曜日 検診センター/市役所にて)

5/17   医療機関での個別接種開始

 なお、接種は2回行い、その間隔は原則3週間です。当院では予約は2回分をまとめて行います。配布数が限られており、また使用できる期限が厳密に決められている、非常に貴重なワクチンですので、自己都合によるキャンセルや日程の変更などは極力行わないよう、よろしくお願いします。また、当院に通院中の患者さん全員に個別接種を行うのは現実的に不可能ですので、比較的若くて元気のある方は、集団接種を受けてもらった方が早いと思います。遊佐町や庄内町などの他市町村の方も、当院で個別接種を受けることは可能です。もちろん、自分の居住地で接種を受けても問題ありません。

 当院でも、5/17から個別接種を開始する予定です。当院にかかりつけの患者さん以外の接種は、原則として行いません。接種人数は午前15人、午後10人を予定していますが、最初はもう少し少ない人数で始めたいと思います。通常の診療と一緒になるとかなり大変なため、接種の時間帯を決めさせていただき、午前は11:00から11:30まで、午後は17:00から17:30までとする予定です。接種後15分は待合室で経過観察が必要なので、この時間帯とさせていただきました。このように、日付と時刻がしっかりと決まった接種予約となりますので、必ず予約を守って来院下さい。また、3週間後の2回目の予約日時も固定となりますので、忘れずに2回目の接種を受けてください。なお、高齢者の予防接種をスムーズに進めるために、通常の診療は少しスリム化させていただきます。急がない内視鏡検査などは、ワクチン接種が一段落してからとさせていただくかもしれませんので、ご理解とご協力をお願いします。

 個別接種の予約は5月6日から開始する予定です。電話での予約はできませんので、必ず接種券を持って受付に来て、予約をお願いします。家族の方でも結構です。予約は2回分をまとめて行い、2回目の日時は原則として3週間後に固定です。接種券の届いていない方は予約できませんので、届いてからの予約となります。

 グループホームや有料老人ホームなどの施設に入所している方につきましては、定期の訪問診療時にまとめて接種を行う予定です。接種を希望されるかどうかを施設にお伝えいただき、希望する場合は接種券と問診票を施設に提出しておいてください。ワクチンの配給状況次第ですが、接種は6月以後となると思います。

 今後も情報が追加・更新されていくと思われますので、随時HPなどでお知らせしていく予定です。私が医師になってからの34年間で、おそらく最大の「プロジェクトX」です。円滑なワクチンの接種に、皆さんのご協力をよろしくお願いします。(写真は、満開の桜並木と鳥海山です)

 医療従事者に対するワクチン接種がついに始まりました。今のところ対象は限定的ですが、2万人弱の方々に順調に接種されているようです。大きな副反応は見られていません。3月からは、全ての医療機関従事者に対してワクチン接種が始まる予定ですが、ニュースでも報道されているように、ワクチンが思うように入ってきていません。酒田地区では、日本海総合病院の職員に対して3月初旬から接種が始まる予定のようですが、対象者が1500名以上と多く、1回の分配量では足りない状況です。次週以後の分配分と合わせて、3月中には完了するものと思われます。私を含めた他の医療機関の従事者は、当初3月15日と4月4日に接種を受ける予定でしたが、全くワクチンが足らず、2週間以上遅れて接種開始となる予定です。おそらく、4月中には全医療従事者に対して接種が完了すると思われます。

 さて、4月12日から高齢者に対してコロナワクチンの接種が始まると、河野大臣が述べていましたが、この週に分配されるワクチンはかなり少なく、山形県全体で1000人分程度、酒田には配給されたとしても100人分、もしかしたら配給がないかも知れません。翌週にはその5倍の量が分配されますが、それでも酒田市で500人分程度です。酒田市の高齢者は35000人以上いますので、対象者の1%強の数しかなく、全く不十分です。5月になるとファイザーから納入されるワクチンは増えてくるようですので、高齢者に対する接種が本格的にできるようになるのは、5月中旬以後、もしかしたら6月からかもしれません。

 今の酒田市の状況を考えると、あまり焦る必要はありませんので、気長に体制が整うのを待つしかないと思います。いつかはワクチンはやってきます。その時まで、いやワクチンをうってからも、マスク、手洗い、三密を避けるなどの感染対策をしっかりと続けていきましょう。(写真は、高齢者施設で飾られていた鵜渡川原人形です)

 12月から大都市を中心に感染が急拡大し、地区によっては緊急事態宣言も出された新型コロナ感染症ですが、全国的に少し減ってきているようです。酒田市でも11月下旬くらいに突然感染者が増え、またその後は山容病院と三川病院のクラスターも出て、一気に警戒ムードとなりましたが、現在は散発例程度で落ち着いている感じです。山形県全体でも大きな流行はなく、かなり平和な県だと思います。

 さて、諸外国では新型コロナのワクチン接種が12月から始まり、既に世界中では6000万人以上の人々に接種されています。日本でも2月下旬から医療従事者への接種が行われ、次いで65歳以上の高齢者に対する接種が4月くらいから始まる予定で、ともにファイザー社のワクチンを使用します。酒田市でも当然その準備を進めてきていますが、まだまだ国の予定も決まっていない事も多く、細かいところはほとんどわかりません。おそらく土日は検診センターや健康保健センターなどの施設を使用した集団接種となり、月曜から金曜までは各診療所などで個別に接種するという、ハイブリッド方式になると思われますが、会場や人員の確保、また超低温保存が必要なワクチンの管理など問題は山積しており、これから急ピッチで内容を詰めていくことになると思われます。

 気になるのはワクチンの有効性と安全性ですが、有効性に関しては発症を90%以上抑えるという成績が出ており、世界で最も接種率が高いイスラエルでは、すでにその効果が出てきています。アナフィラキシーなどの副作用については、10万人に1件程度で、インフルエンザワクチンよりは高いものの、通常のワクチンと同程度と思われます。という訳で、当院では私を含めて職員全員がワクチン接種を受ける予定です。

 本当にスケジュール通り接種ができるのか、かなり不安な点もありますが、具体的な接種方法や日程などが決まりましたら、HPでお知らせいたしますので、時々チェックしてみてください。(写真は、消毒用エタノール、ブラックジャックバージョンです)

 今年のお盆もかなり静かでしたが、年末年始も静かに過ごしていただくのが一番かと思います。11月中旬から山形県内でも新型コロナウィルス感染が拡大し、連日感染者が出ています。酒田でもかなりの人数の感染者が出ており、また病院クラスターも発生しています。感染経路が追えるものが今のところ多いですが、経路不明な例も増えてきており、しばらくはくすぶりながら感染が続いていくことが予想されます。

 全国はもっと悲惨な状況となっており、首都圏や大阪、愛知、北海道などでは、感染者数の爆発的な増加とともに医療崩壊が起き始めています。コロナの病床を増やすように要請したと簡単に行政は言いますが、コロナの診療を行うためには通常の診療体制よりも多くの医療スタッフや器材が必要で、結果的に通常の病床を大きく削って対処する必要が出てきます。当然経営面では悪化する事になり、また他の疾患の診療を縮小せざるを得ない事になります。また、看護師をはじめとするスタッフも慢性的に不足しており、その肉体的・精神的疲労も極限に達してきています。さらに、医療従事者やその家族などに対する偏見や差別も、いまだに少なからず見られています。

 政府もようやく重い腰を上げてGoToを一時中止にし、都会では飲食店への時間短縮営業の依頼は続き、また各地から帰省自粛のお願いも出ています。どうか、感染者数を増やさないために、年末年始は静かに過ごしてください。感染者数を増やさない事、自分が感染しないこと、これが一番の医療従事者へのエールになります。(写真は期間限定の院長用スクラブです)

医療従事者は、スーパーマンでもなく、ロボットでもありません。

当院は山形県から「診療・検査医療機関」の指定を受け、11月から新型コロナウィルスの検査を公費で行うことが可能となりました。新型コロナの診療を行うにあたって、事前にプレハブ部屋や冷蔵庫などを購入し、受付とTV電話でつなぎ、また楽天ペイなどのキャッシュレス決済も導入し、検査のシミュレーションを行って、準備を進めてきました。何よりも新型コロナウィルスを院内に持ち込まないことを最優先とするため、診察・検査は基本的に18時以後に行い、場所は駐車場の車の中やプレハブの中とし、発熱患者さんはクリニックの建物の中に入れない、また職員も私以外は外に出ないというスタイルにしました。来院前にスマホかFAXから症状や保険証の情報を送ってもらい、会計は楽天ペイ(1月以後はPayPayも可能)か後日の銀行振込とし、領収書と薬剤はTV電話で指示して窓から外に出してもらい、私が受け取ることにしています。このようなスタイルでの診療ですので、時間的・空間的に完全に分離された状態での発熱患者さんの診療となり、一般の患者さんの感染のリスクは非常に低く抑えることができます。

検査内容は、新型コロナウィルスについては、唾液を容器に出してもらって、それを検査センターに依頼する唾液PCR検査を使用しています。夜間の検査になりますので、翌日に検査会社に依頼して、結果が出るのは翌々日の午後になります。15分ほどで結果が出る抗原検査も認められていますが、感度が低く、また疑陽性が出ることがあるため、今のところ推奨されていません。しかし、患者数が増えてきた際や、週末や年末年始などには使用するメリットがあるかと思いますので、今後検討したいと思います。

インフルエンザについては、従来どおり綿棒を鼻の奥に突っ込んで鼻咽頭ぬぐい液を採取し、迅速検査にて判定します。今年は鼻かみ液や鼻腔ぬぐい液などの検体も使用可能となっていますが、精度的には鼻咽頭ぬぐい液が一番ですので、防護ガウンにフェイスシールド姿で綿棒を突っ込ませていただきます。

酒田地区には約20件の「診療・検査医療機関」がありますが、一般住民への公表はされていません。公表すると、その医療機関に発熱患者さんが殺到してしまい、感染を拡大させてしまう可能性があるためです。そのため、熱などの症状があれば、まず「かかりつけ医」に電話で相談するという流れになっています。そこが「診療・検査医療機関」であれば指定された時刻に受診することになり、そうでなければ近くの、あるいは受診したことのある「診療・検査医療機関」を紹介してもらい、やはり指定された時刻に受診するということになります。

当院では、既に何名か新型コロナの検査を行いました。今のところは全部陰性ですが、今後陽性が出てくる可能性は十分にあると思います。風評被害などを恐れて公表しない医療機関が多いと思いますが、当院は隠したりせず、堂々と新型コロナの診療・検査を行います。そのかわり、時間的・空間的に完全に分離して診療を行いますので、夜間に車やプレハブでの診察・検査となりますが、ご理解とご協力をお願いします。(やってる方も、かなり体力的、精神的に大変なのです・・・)

写真は新型コロナ用に設置したプレハブ部屋です。検体の処置や検査をこの中で行います。検体の採取は原則として車の中で行いますが、天候によってはこの中で行います。