昨日までの5日間で、3名の在宅患者さんが亡くなりました。共通しているのは、全員90歳以上、自宅で、老衰で亡くなりました。昨日看取った患者さんは、100歳の誕生日を2日後に控えていましたが、力尽きました。皆さん、安らかなお顔でした。
介護力不足により、自宅で療養を続けるのが困難なケースが増えており、当院の在宅患者さんも現在7割以上が施設入所の方々です。施設入所が悪いという訳ではもちろんありませんが、自宅で家族に囲まれて穏やかに過ごし、少しずつ老いを重ねて、枯れるように亡くなっていく、それはある意味理想的な死ではないかと個人的に思っています。死を忌み嫌う、避けるのではなく、生活の延長線上に自然にあるものとしてとらえ、人生最後の大仕事を家族で見守ることができたなら、それは残された家族にとって貴重な経験、財産になると思います。そして、家族や友人の死をきっかけにして、より多くの方に、自分の「生」と「死」について、もっと考える機会を持っていただけたらと思っています。「死」について考えるという事は、残った人生を、どのように生きていくかという事そのものなのです。
在宅医療には様々なドラマがあります。私は、これからも、人生という壮大なドラマのお手伝いを続けていきたいと思っています。(写真は北海道当別町のひまわり畑です)
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